資材業種の取組

包装資材・農業資材は、農産物を陰で支える必需品です。ホクレン資材課では、資材を低価格で安定的に供給するための予約購買をはじめ、品質管理の徹底、新資材の普及 等、安心して使用していただけるよう心がけています。

コスト低減への取組み

1.予約とりまとめによるコスト低減

包装資材の予約取りまとめ

全道の予約数量を背景とした、メーカーとの価格交渉

汎用工業製品である段ボールにおいて、農産物分野での需要の占める割合は低く、全国では約10%前後、北海道でも30%程度となっています。このため、価格の引き下げと安定供給のためには、的確な需要量の把握と、物量を背景とした価格交渉が不可欠で す。ホクレンでは、全道のJAを通じて皆さまからいただいた予約数量を背景として、段ボールメーカー各社と交渉し、価格の引き下げを目指しています。

需要期をずらした納入の推進による、コスト低減への取り組み

農産物の出荷に使用される段ボールは、季節により使用数量の差が大きく製造の平準化が図りにくい状況にあります。このため、比較的需要の少ない時期に納入を推進することで、メリットの還元に努めています。
農産物用紙袋、米麦用包装容器においても、同様な早期予約取りまとめを実施しています。

農業資材の予約取りまとめ

早期需要の把握による価格安定、安定供給への取り組み

被覆資材(農ビ・農ポリ・農PO)の基礎原料となるナフサ価格は 、昨今の原油価格・為替相場が不透明な状況のため大きく変動しております。
こうしたなか、製品の価格安定や安定供給のためには早期に被覆資材の需要を把握し、価格動向を勘案したタイムリーな原料や製品の手配、計画的な製造・加工を行うことが重要です。
ホクレンでは、被覆資材の予約取りまとめを実施し、コスト低減と安定供給に努めています。

2.段ボール全道統一規格の推進

適正な包装容器の設定によるコスト低減

段ボールの使命は、内容物である農産物を輸送中にしっかりと保護することですが、必要以上に寸法を大きくしたり、強度の高い箱を使用することは、コスト上昇の要因になります。段ボールのコスト低減を進めるにあたっては、農産物の出荷規格に応じた寸法を決め、輸送条件を勘案して内容物をしっかり保持できる材質の設定を行うことが重要です。
ホクレンでは、農産物の品目ごとに、出荷規格や 輸送条件などに応じた適正な段ボール規格を「農産物段ボール全道統一規格」として設定しています。

規格の集約を図ることによる製造コストの低減

例えば馬鈴しょの段ボールは、箱の寸法・材質・印刷内容の異なる箱は全道で約400種類もあります。可能な限り規格の集約を図ることによって、製造コストを抑え、価格の引き下げを目指すことが大切です。
ホクレンでは、青果物20品目・計63種類の全道統一規格を設定し、それぞれの品目において集約率50%以上を目指し、JAや組合員の皆様に推進しています。
平成 27 年度現在、ほうれんそう・だいこん・きゅうり・トマト・ピーマン・にんじん・馬鈴しょ・玉ねぎ・ながいも・ゆりね・かぼちゃ・ごぼうの12品目 で集約率 50%以上を達成しています。

3.低コスト資材の普及推進

パイプハウスの大型化や張り替え期間の長期化により、被覆資材においては軽量で破れにくい農POの普及が進んでいます。ホクレンでは、高品質で安価な系統一元銘柄農POとして、「クリンテート」の普及を進めており、作物を問わず多くの組合員の皆さまにご使用いただいています。また、農ビについても、「JAノービ」の取り扱いを行っています。 酪農資材では、クロスシート・牧草用ラップフィルムなどの輸入資材を各地で試験のうえ取り扱いしています。
⇒系統一元銘柄 クリンテート JAノービ

新規資材取扱いに向けたの取組み

1.生産者モニター試験制度

農業資材における、コスト低減や省力化につながる新資材・新技術について、ホクレンでは毎年、「生産者モニター試験」を実施しています。全道の組合員の皆さまの圃場をお借りして実際の農業現場で試験品を使用していただき、その普及性・実用性を検証しています。平成27年度については 、「クリンテート」の改良品や生分解性マルチ、育苗資材・酪農資材などを中心に全道34か所で効果確認試験を実施しました。
試験結果については、冊子化して全道のJA に配布しているほか、こちらのサイトで紹介しています。
⇒試験結果はこちら

2.農業総合研究所との連携

農業総合研究所との連携により、各種資材の効果確認試験を実施し、新資材の普及や問題解決に向けた基礎データの蓄積に取り組んでいます。
青果物の鮮度保持輸送試験などにおいて、農総研と連携して試験を展開しています。また、道立総合研究所や民間企業との共同研究も行っています。

品質管理の取組み

食の安全 ・安心への要求が高まるなか、農産物の品質や安全性を保持するための包装資材の役割も重要です。ホクレンでは、各種包装資材において、衛生・品質管理に取り組んでいます。

紙袋やフレキシブルコンテナなどの食品包装については、製造・加工メーカーとの連携により品質管理を行っています。また、必要に応じて製造工場での現地検査を実施し、製造工程や環境の確認、製品の品質検査などをおこなっています。

また、段ボールについては、品質管理の徹底に向けて、本会独自に「包装管理研究室」を設置し、段ボール箱や原紙に関するさまざまな試験を実施しています。
農産物や食品用段ボールの定期的な品質検査を実施するほか、クレーム発生時の原因究明や、新規格原紙の導入、段ボール箱の適正な規格の検証などを、必要に応じて輸送試験を実施しながらおこなっています。蓄積されたデータは、メーカー各社への品質管理指導や、全道統一規格の設定、クレームや事故発生の未然防止の啓発などに活用されています。
⇒段ボールの輸送試験についてはこちら

包装管理研究室の紹介はこちら

環境に配慮した農業への取組み

ホクレンは、JA 北海道中央会・北海道・農業用プラスチック資材製造 ・販売事業者などの組織とともに、「北海道農業用廃プラ スチック適正処理対策協議会」を構成し 、排出量の抑制とリサイクル を基本とした適正処理の推進活動に取り組んでいます。
また、廃プラスチック排出量の抑制につながる、生分解性資材や長期展張型フィルムなどの資材の普及推進をおこない、環境に配慮した農業への取り組みに努めています。